「英語を学ぶすべての人へ」 > 日本人の英語の発音を良くするには?

発音に関して皆様から頂いたお便り

No.1 TM様から「アメリカ交換留学体験記」で指摘した、「音素の聞き分け」と「リラックスした会話の聞き取り」に関するお便りをいただきました。

※ TM様にメールを送ったのですが、きちんと送られずに返ってきてしまいました!。もしここをご覧になっていましたら、新しいアドレスをお教えください!。

Nakataさん、はじめまして。TMと申します。ホームページ拝見いたしました。ラジオを中心とした簡潔で効率のよい学習法に感銘を受けました。私の場合は、それこそ色々な教材に手を出した後で、効果的な方法にたどり着いたので、英語の学習を再出発させた当初はずいぶん効率の悪い勉強をしていました。(ただ、その過程で様々な文法書に目を通す機会を得ることができたので、後々精読に非常に役立つということはありました。)

また、精読と精聴が重要と書いておられますが、同感です。言葉を替えて言えば、

「英語の音の流れ(および文字列)←→意味」

の条件付けをすることが、英語を学習するということの核心だ、と言い切っても良いとさえ思っています。

生理学的にも、新しい言語を習得すると、大脳の言語中枢の中の母語を処理する領域とは別の場所で、新言語処理用の神経回路網が整備され活性化してくる、というのが最近の研究結果だそうですね。

ところで、「音素の聞き分け」と「リラックスした会話の聞き取り」についてですが・・・

( s vs. th ), ( l vs. r ), ( h vs. f ), ( b vs. v )の区別は日本語を母語にする人にとって鬼門ですね。私も区別出来るようになるまでには、時間がかかりました。私の場合、( s vs. th ), ( f vs. h ), ( b vs. v )は、息の出る音の違いでほぼ間違いなく聞き分けられます。息が弱い場合でも、s, f の息の音が聞こえないという場合は殆ど無いですね。ただ、b では時々聞こえないことがあり、その場合、単語の知識から憶測してます。

( l vs. r ), ( h vs. f )は、直後の母音が互いに微妙に異なる場合が多いことも、聞き分けの手がかりになります。また、語尾の ( l vs. r )は音の差そのものが大きいので聞き分けはかなり容易です。

それから、th は人によっては t に近い音で発音される場合がありますね。(through, thousand, three ...)

● 息の出る音に集中して聞く。
● その音だけではなく前後の音も含めて判断するつもりで聞く。
● 自分の発音を標準的発音に近づけて、自分の発音で音素の
 区別を確認できるようにする。
という訓練が、私の場合、有効だったようです。

また、互いに似た発音の語も、自分できっちり発音するようにしているとかなり聞き分けられるようになりました。

一般の人が普通に話す英会話の聞き取りは、本当に難しいですね。

アメリカから装置導入の説明に来たエンジニアと仕事の後、ビアホールで飲んだときに、彼の話が殆ど聞き取れないということがありました。(仕事の話は一応判ったのに・・・)彼が、はっきりとした発音で言い直してくれると判るのですが、リラックスして話されると、とたんに???となってしまいました。その人はウィスコンシン出身でMBAも持ってるので発音は標準的なはずなのですが・・・

上級者の人に尋ねてみると、「リラックスして話しているときの発音と、フォーマルな場で話しているときの発音は、音のレベルで違っている部分があるから、
リラックスした発音に対して特に訓練してないなら、半分も聞き取れないのは、当然だ。」と言われました。ということで、現在は洋画+scriptを学習教材として
取り入れています。

ところで、アメリカでは、(州によっては違うかもしれませんが・・・)TV放送は聴覚障害者用に字幕放送が義務化されているので、これを利用してドラマなどを毎日見ていると日常的な発音にも慣れ、聞き取りの上達が速いという話を留学経験者から聞いたことがあります。

以上、ご参考になれば。


No.2 ニュージーランドに一年間ステイされた経験のあるH様から、発音向上に関する実践的なアドヴァイスを頂きました。

※ H様にメールを送ったのですが、きちんと送られずに返ってきてしまいました!。もしここをご覧になっていましたら、新しいアドレスをお教えください!。

こんにちわ。初めてのメールです。最近NZへworking holidayで1年間行っていて帰ってきました。行く前から、また帰ってきた後もホームページを見させていただいてます。

帰国後英語を使った仕事を探し始めたのですが、どこもTOEFLや英検等の資格を募集していたのでためしに簡易テストを受けてみたんですが結構難しいですね。て、いうかネイティブでも間違えそうなものが山ほどあります。自分自身では英語レベルはかなり高いと思っています。新聞読めるし、テレビも聞けるし(ある程度辞書を使う)、単語それなりに知ってるし交渉事だって出来ます。電話も問題無く、喋るのが得意でコミュニュケーションするのに困ったことがほとんどありません。

それだけにそういったテストを受けてみてかなりびっくりしています。結果にではなくて内容に。スピーチや問題を提示されてのエッセイみたいなものも書かなくていいですから、総合的なコミュニケーション能力をしらべるというよりか英語の正確性を必要以上に追求しているという感じ。結果、それを受ける人達の英語は、文法や単語のスペリングなんかはとても良いんですが、間違いを恐れて喋れなかったり、単語のスペル知ってても試験対策用に勉強してるから発音知らなかったりと不思議な英語が身についてしまいます。

ある程度のレベルをめざしそれに到達するためにはある段階でそういったことは必要になってきますが、アンバランスさは考え物です。ネイティブのように'発音はわかるんだけどスペリングはどうだったっけ?'と困惑しながら頭の中で単語書いてみて結局は正確なスペリングが出て来たりっていうのが普通だと思います。このスピードが早い人遅い人の差こそあれ、これが出来れば一部の例外を除いてスペル知らなくてもイイでしょうし・・・。自分の英語の特徴がそういったあちらの人のものとかなり違う場合は英語習得の回り道をしていると考えてイイでしょう。いちいちだらだらと書きこんでしまいましたが本題に入ります。

実は僕も発音に関して同じような悩みがありました。NZへ着いて最初の4ヶ月は英語学校へ通っていたんですが、学校内では僕の英語(発音)はほとんど問題ありませんでした。他の国からきた人達(中国、韓国、マレーシア、インドネシア、スペイン、ドイツ等など15カ国以上)と一緒に授業を受けて教師の言うことも完璧に聞き取れましたし、自分のいう事も分ってもらえてました。でも2つだけいつも悔しいと思っていたことは、学校の外でネイティブの人達と会話しようと思ったときに何故か全くと言っていいほど僕の英語が通じなかった事と、相手の言うことも聞き取れなかった事。またテレビなどを見ていてもリスニングが全く出来なかったことです。その時は日常的に使っている単語の違いや慣れてないだけの事だと思っていました。

英語学校の後はNZを車で2ヶ月間ほど一周し、その後5ヶ月間ファームステイをすることになりました。英語学校に通っていたいた頃、とても英語が上手になれるファームがどこそこにあるらしいという事を何人もの人からうわさで聞いていて僕は運良くそのファームを紹介してもらいステイすることになりました。

NZの片田舎にあるファームでありながらそこのオーナー(一人暮し)の話す英語はきれいなブリティッシュイングリッシュで使う単語もこっちが知っていようがしっていまいが容赦の無いPRECISEな使いまわし。会話するときなんかまるでこっちがnativeかのような扱いで、話すのがとても速くてまるで競馬の実況を聞いているかのような速さでした。(うまい表現がなくてごめんなさい。でも本当にそんな感じでした。)

英語がある程度できると思っていた僕はすぐさまファームのオーナーにこう言われました。'喋るのがいくら速くても、単語量、文法、スペリングがいくら良くても発音が悪ければ誰もお前の言う事なんか分かってくれないしそんなものは英語を全く知らないのと同じ事。日常生活の中で1番大事なのは会話だし、山ほどJARGONを知っていてもそれが正確に発音されて相手に理解してもらわなければそんなもの役に立たん!'

最初はそんなもの、会話するとき相手に理解してもらえなければ単語変えて、文章構造を変えて何回も繰り返せば通じるんだから良いのでは?なんて思っていましたし、自分が出来る人という慢心もあったのであまりまともには聞いていませんでした。毎日毎日、自分が細かい発音ミスを犯すたびにオーナーが唇の動きと舌の使い方、どこにアクセントを置くかという事をしつこいぐらいに注意され、また正しい発音が出来ない限りはゆっくり喋りなさいと毎日叱られてました。

正しい発音といってもいまいち唇と舌が動かないし、なんか慣れない左手で箸を使うような感じでとてももどかしい。とくに喋るスピードを落とすというのはとんでもなくfrustratingで、自分はアホになったんじゃないのかと思うぐらいでした。まあ内心はそこまでやらなくても、と思いながらいやいや喋ってました。

ファームでステイをはじめて2ヶ月くらい経ったそんな頃に久しぶりに近くの町に出る機会がありました。教えてもらっていた通りに正確に発音するように心がけて喋りました。スーパーへ行って薬局、本屋、旅行会社など1日中町で過ごしたんですが、以前のような相手の言ってることが分らない、こっちの言うことが通じないということが全く無く、とてもビックリしました。いつも通じなくてもうほとんどあきらめかけていたんですが英語を勉強していてこんなにうれしかったことはありませんでした。自分で発音の大切さを教えてもらい理解するまでにこの2ヶ月かかり、その後このファームには予定よりも約3ヶ月も長い計5ヶ月いて
帰国直前まで、英語を学んでました。

学んだことは沢山ありますが一番大きかったのはやはり発音。全部手探りで自分で見つけたコツのようなものがあるのであげてみます。(知っているものもあるかもしれませんが)

@ 一つ一つのLETTERの発音を知ること。

  A〜Zまでどうやって発音するかほんとに知っているかどうか?
  B・・日本語発音の'びー'とBは絶対に違う。nativeたちにとってみると日本人のBはかなり弱い。TROUBLE、SCRABBLE
    って結構難しいと思う。
  F・・エフのフのときに上唇が舌の歯についてそこから空気が出ているか? 息を吐いてフーと強調すると絶対に分かってもらえる。
  G・・上下唇を両方前に突き出して日本語の'じ-'
  H・・エイチのチの時にはgのように唇を突き出して日本語の'ち'それと同時に息を出す。
  J・・gの口の形で'ジェィ'
  L・・いまいち良く分からない。日本語のらりるとは舌の動きが実は違う。(単語によって違う)
  M・・エムではない。ムは口を閉じて'ム'。
  N・・エヌでもない。ヌの部分はDのディの口の形からヌ。ンに聞こえる
     fine、spainは大げさに言うとファイン・ヌ、スペイン・ヌと言う感じ
  O・・オーではない。オウ。必ずオの部分で下あごが下がっている。
  R・・アールではない。アーゥにむしろ近い感じ。口の奥を使ってルを表現しようとすればできる。舌は絶対にどこにもつかない。
  V・・Fの口の形で日本語の'びー'でいい。ただし母音の'イー'の時には唇をリラックスさせてEの発音で良い。
    Bとの区別をnative達はどうやってしてるかというとシューと言う音が聞こえるかどうか。
     慣れないうちは相手に分かりやすいように少し大袈裟に息を出すと間違い無く理解してもらえる。
    VERYとBURYでは相対的に前者のほうが発音し終わるのに時間がかかる。
  W・・おまけ。ダブルではない'ダブリュー'
  Z・・'ズィー'と発音。日本語のズを発音する時の口の形でズを残したままEを発音

  日本人が苦手と思われるものを上げました。
  
単語の発音って言うのはA〜Zまでの一つ一つのLETTERの発音をものすごく引きずっています。きちんとnativeの人に見てもらいながら発音できるようになる事で、英語で使う口と舌の動きが9割はマスターできます。(結構難しいんですよ。)

A自分の発音できない音は極端に聞きずらい。というか違いが分からない。

 例えば100種類の音の違いしか必要ないような環境で慣れた人が200種類の音の違いを分類しようと思った時に、100種類の音と'自分の知っている100種類の音に似ている100種類の表現不能な音'にしか分類できない。分かりやすく言えば、たとえ独立した音でもその音を自分が知らなければ自分の知っている似ている音(全く違っていても)に置き換えてしまう。

日本人の典型例ではveryを耳で聞いてもそれを再現してみるとがbullyになってしまったりという現象です。ここでつまずいている段階でリスニングをいくらやっても単語を予想する力が伸びるだけだったり、慣れてしまうだけで(もちろんこれらは重要な要素ですが)本当にリスニングが伸びていることにはなりません。周囲に雑音があったり、お酒飲んだり、バーで話をする、電話になるともうお手上げ。
 
大事なことは自分がそれらの音を発音できるようになること。nativeの人達に聞いてもらって繰り返し発音し'ダメ、ダメ、もう1度、アッ、今の発音は正しい'なんて教えてもらいその正しい発音を自分で練習する。人によって得意な発音、不得意なものがありますが、僕に限ってはworkがとても難しかった。2週間かかりました。音的にはかなりwalkに近いんです。教えてもらっても次の日にはもう忘れちゃって。紙に書けないし感覚的に覚えるから思ったより大変です。おかげでこれ系の発音は今、自信あります。hurt、first,world、reverse等。

注意しなければいけない事は納得いくまで練習すること。なかには'大丈夫、通じる、通じる'なんていってくれる人もいるでしょうが自分が少しでも違うんじゃないかという疑問点があれば他の人にも教えてもらう。出来るだけ沢山の人に聞くのが良いです。リスニングは発音の上達に伴って飛躍的に伸びていきます。自分の持ってない音は絶対に聞き取れないのです。

B 発音記号を必ず見る。

日本人の発音が苦手な理由の一つとしてローマ字教育を受けてしまったいるというのが挙げられます。知っていると思う発音でも発音記号を念のために見てみると、いままで間違った発音を覚えていてそれをずーっと使っていた、というものが結構あると思います。ローマ字を引きずっているいないにかかわらず、例外なんていくらでもあるでしょうし。発音の大事さに気付いた直後から、知ってる単語でも片っ端から発音記号を一から調べなおして、'単語全部また覚えなおしか'、とガックリきましたがそんなもんです。
  
調べていくと発音に規則性がかなりあることが分かってきますし、口の動き、スペリング、音など記憶するための要素が増えるので忘れにくくなります。音っていうのは脳に対してとても強い刺激らしく、正しい発音をマスターしていれば、スペリングなんか覚えなくてもよくなりますし、知らない単語をいきなり聞いたときでもスペリングが分かるから、どの言葉から派生して来ているかっていうのが辞書無しでもわかることがあります。そうでなくてもスペリングから辞書引けますし・・・。これって典型的なnativeの特徴に似ていると思います。

C 音だけをまねるのではなくて口、唇の動きも真似る必要がある。

よく聞いてみると発音はそっくりなんですが口、唇の動きを見るとnativeのそれとは結構違う動きをしている人っています。厳密に言うと違う口の形から同じ音が再現されるはずは絶対に無いんですが、それでまあ発音として通用している人っています。  仮に次の二人がいるとします。

  @音はかなりそっくりなんだけど、口の動きが違う人
  A音は結構違うんだけど、口の動きはバッチリな人
  (one thousand 日本人・・ワンサウザンド インド人・・ワンタウザンド 発音は双方間違いだがインド人のそれのほうがnativeにはわかりやすい)

  この両者を比べた時に、どっちのほうがコミュニケーション出来るのか?というと状況によっても違いますが   @は電話なんかは大丈夫かもしれないけど、周囲に雑音があるようなBAR みたいな状況下では全くダメでしょう。発音が聞こえづらくて口の動きを参考にして何を言っているのか相手は推測しても口の動きが違っていればわからないからです。Aはその逆。まあ良し悪しです。
  
人間が言葉を使ってコミュニケーションをする時には単に聞こえてくる音だけではなく、相手の目の動き、身振り手振り、口の動き、その他諸々の情報を総合的に扱って相手を理解しようとしています。そうした状況の元で相手の話す発音に理解しづらい曖昧さが出てくれば、注意は自然と相手の口に移り、その動きから足りない情報を補完して相手から伝わってくる情報の精度を上げようとします。電話なんかはそうした情報が聞こえてくる音以外は全てシャットアウトされるから、かなり高度な技術が必要になってきます。(経験済みですよね)  
  
僕達nativeの日本人っていうのは、日本語で話す時、会話中どの音が聞きづらいかっていうのはもう知っていて、また話の流れからその後会話がどういうふうに進んでいくのかって言う事を予測できるんですが、それでも相手の口を見て話すって事をけっこうしてると思います。発音される種類が多い英語になるとその傾向(mouth reading)はもっと顕著です。

雑音が多い日常生活の中で英語がよく聞き取れないという問題があれば、発音自体が分からないというのもありますが、相手の口の動かし方を見て何を言っているのか想像できないという事も理由の一つでしょう。しかもこれはAで書いたことと同じで自分が持ってない口の動かし方は、相手がしていても理解できないということです。

少しぐらい大袈裟だと思うくらい発音にあわせて口、唇を動かす必要があると思います。僕達日本人にとっては普段使っていない口と舌の運動神経、筋肉を使うので最初は難しいですが、きちんと発音できるようになるまでは絶対に喋るスピードを上げてはいけません。正確にハッキリと発音するように心がけないと、悪い癖が抜けず一生治りません。ここが一番我慢が必要で本当に発音を治すのにつかれる部分です。特に間違った発音で長く英語を勉強している人ほど根気が必要です。どうにかなるでは絶対に直らないし、ここを超えるかどうかが'英語が出来る'かどうかの分かれ目だと思います。テレビの英語講座なんかに出ている'英語ができそうな'教師でも、ひどいもんです。帰国してからビックリしました。3ヶ月ぐらいで楽になってくると思います。これによるメリットはリスニングの向上のみならず、自分の言っていることを相手が理解しやすくなる、つまり伝わりやすくなるという事です。

D声の質のバリエーションを持たせる。大きな声で言う。

これは自分の言っていることを相手に理解してもらう為のテクニックです。自分がコンスタントにどこまで低い声と高い声を出せるのか、どこまでイントネーション(声の大小)に差をつけれるのか。この範囲内の'声'は自分が会話中に使える音です。声色に幅を持たせることでひとつひとつの発音の相対差が広がり多少発音に癖があっても相手にとってはとても理解しやすくなります。
 
大きな声で言えるかどうかは発音に自信が有るか無いかの問題とも深く関わっているとも思いますが、努めて大きくするほうが良いです。発音に自信が持てないと総じて声が小さめになりがちです。声が小さいくてよく分からない部分が会話中にあった時、相手は何を言っているんだろうと瞬時に(無意識に)予想して'多分こうだろう?'といった感じで会話をつなげてきます。でもこれでは自分の発音が悪いのか、相手の想像力が優れているのか、こっちとしてはよく分かりません。

英語学校の教師なんかがいい例で、いろんな国からやってきたトンでもない発音をする生徒達と常に触れ合っているのでこっちが言わんとしている事を想像する力っていうのは凄いです。でも喋っている生徒のほうは'オッ、思ったより英語通じるぜ結構イケるんじゃないの?'なんて誤解したりしています。(僕でした)日本で英語している人の大半は発音に慣れておらず、会話する機会が殆ど無いので(あっても日本人同士での英会話、または日本人の発音に慣れた外国人との英会話)、何らかの形でこうした錯覚があると思います。

自信の無い発音でもハッキリと大きな声で喋っていると、向こうも疑問があれば質問してきますし、(ご存知の通り、英語は26のアルファベットの組み合わせで単語量が多く、発音として似た言葉は日本語とは比べ物にならないくらい多いので「自分が知らない単語がたくさん有る」という意識を日本人より持っていると思います。)発音が間違っていればそれがきちんとこちらに返って来やすいです。大抵の人は自分の発音の未熟さに気付くチャンスを逃してしまい、自信が持てないまま会話している事が多いようです。一時の恥はかきますが、そうして学んだ発音は忘れることがありません。コツとしてそんなものでしょうか。

 僕が難しかった発音を少し挙げてみます。
trouble,scrabble・・・ Bがいつも弱いと言われる。
try・・・よく聞いてみると'トュライ'と聞こえることに最近気付いた。
pluralism・・・RとLの区別をハッキリつけづらい
river・・・・絶対にriの部分で口を横に広げて'イ'と言っては行けない。英語の口を横に開くのはE。スペリングはI。
      発音記号ではこの差は明確に表現できていないが絶対に違う。@の重要性を発見した単語。
work・・・きっちり発音できる人は実はあまりイナイと思う。聞いた中で日本人では全体の2,3パーセントぐらい。
hypothermia・・・結構高度だった。oは絶対に'オウ'で下顎が下がり'オー'ではない。radialとradioの差もここです。(pyromaniac、parochial等も)
          thermiaもなかなか難しい。
with・・・よくwid になります。
wood・・・wは口を狭くして声と一緒に息をかなり出す。頬が少し膨らみそうなぐらいの勢い。
of、have・・・会話中にしっかりとF、Vを発音することをよく忘れます。
collision・・・generalの'ジェ'とcollisionの'ジョ'の口の形が違う。後者は上唇が動かない。

発音に関しては、まず自分に対してcriticalになることです。相手の想像力が優れているのか、自分の発音が間違っているのかをいつも疑うこと。また周りの人にcriticalになってもらうようにお願いし、そういう人達を沢山持つことです。子供なら心配無いんでしょうが、大人になってしまってからではpositiveにやらないと急激な伸びは期待できません。

発音が良くなればリスニングも伸びそれに伴って、日常生活をしていても脳に入ってくる刺激がとても増えます(テレビ、ラジオ、自信が付くから話好きになる。電車の中でも、他の人の話が耳に入る。などなど)。考え事、夢もしだいに英語になってきて、それが持っている文法や単語などの知識とつながりはじめていきます。

ファームにステイしていた頃、発音がもっと上手くなりたくて5,6歳向けの発音教材を買って来たり、口の細かい動きを見よう見まねで怒られながら教わってました。プライドが砕かれてつらい日々でしたが、楽しかったです。

オーナーがいつもこう言っていました。「仕事で成功するにしろ、人から尊敬されるにしろ、本当に人の上に立てるような人間はみんな言語ってものを上手く使える。 それは英語でも日本語でもどんな言葉でも同じで、高度な言語能力を身に付けるという事は他の何よりも勝る。」帰国してから1年前の僕を知るアメリカ人の友達と逢った時に発音の事を誉めてもらい、僕の'英語'が客観的に見て海外における仕事でも十分通用すると言ってもらった時は、泣いてしまいました。

長々と書いてしまってゴメンナサイ。残り9ヶ月の学生生活でなんとかなるだろうという文章を見て、ダイジョウブか?と思い慣れない日本語であれこれ試行錯誤しながら書いてみました。変な文面もあるかと思いますがご容赦下さい。

ホームページ頑張ってください。

hope your study will be successful out there.good luck !!


No.3 ニューヨークに留学経験のあるYT様から英語の発音に関する体験談を頂きました。

こんにちは、長いので掲示板でなくてメールを出させていただきます。私は留学2年目(NY)ですが、1年目は中田さんと同じく聞き取りに大変苦労しました。しかも大学院留学なので最初から「TAとして学部生に教えろ」と言われ、週4時間数学を教えさせられたんですよ。生徒の質問はチンプンカンプン。

これは悩みました。当時TOEICのリスニングは460,やさビジなどはちょろかったのですが、ネイティブには全然通用しませんでした。結局松沢さんのページに出会い、藁にもすがる思いでParrot's Lawを実践、あわせてUDA式の発音練習をしました。すると驚くべきことに、半年でほぼ完璧に聞こえるようになりました。まだ語彙レベルが低いので複雑な映画は分かりませんが、単純なアクションとかなら全部分かります。もちろんネイティブの雑談なんかは全部分かります。

僕で半年だったのですから、中田さんの能力だと3ヶ月程度だと思います。ぜひ松沢さんUDAさんのページをもう一度よく読んでみて下さい。ちなみに僕の体験談も収録されています(NYのTさんというやつです)。

以下は松沢・UDA理論の要約+個人的体験

1.きちんと音を覚えていない音は聞こえない。聞こえたように本人は思っているがカタカナで近似しているだけということが多い。

(ちなみにこのレベルでもTOEICリスニング満点位なら取れてしまうので、注意が必要。このレベルでTOEFLリスニング満点は絶対に無理なはず。)

2.きちんと音を発音できないと、きちんと音を覚えられない。

(リーディングなどは、自分の発音を脳の中で聞いている状態なので、きちんと発音ができていないといくら読んでもネイティブ並みに早く読めるようにならない)

3.英語の音と日本語の音は根本的に全部異なる。

4.UDA式でやれば、15時間の練習で正しい発音が身につく

5.Parrot's Lawで正しい発音を脳に刻み込む。今まで雑音として排除してしまっていた音が意味のある音として認識できるようになる。

6.これらをやると、英語の上達のスピードが飛躍的に向上する

(本を読むだけでリスニング練習になる・会話や作文は目や耳から入った英語をまねして言う/書くだけ)

最後にやさビジの利点と欠点の僕なりの分析です。

1.スピードは余りにも遅い。あんなにのろく話す人いない。
2.発音が変。原因はスピードが遅いのと、多分機械的にハウリングを取り除いているのではないでしょうか?あと、英語と日本語は周波数が異なるので、日本製のマイクは英語特有の音を拾いにくいという事もありえます。
3.会話の表現・内容は非常に質が高い。口語表現は余りカバーされていないが、「ビジネスの」会話としてならこれだけで十分戦える。ただし、アメリカ文化を理解する上で一番大事なジョークが全くない(これはしょうがないですが)。

以上を踏まえて、僕はやさビジをスピーキング練習に使っています。要は全部正しい発音で朗読しまくり、最後には丸暗記するだけですが。この夏休みを利用して2月分覚えましたが、アメリカに戻ってきて、英語が口をつくようにペラペラ出て来るようになりましたよ。

リスニングはドラマで訓練してます。映画は台詞が少なく、スラングが多すぎるのが難点。おすすめはAlly McBeal, Friends です。

それでは、健闘を祈ります。1年はあっという間だと思いますが、充実した時間を過ごされますように。ちなみに私は1年目はかなりの苦行でした。ストレスで腸炎になりました。最後におどかしてすいません。ひまをみておたよりくださいね。

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