カシオEnglish Challenger体験記


今回は、カシオ・マーケティング様のご好意で『English Challenger TE-700』というPDAを使用させていただきましたので、使用感などをご報告したいと思います。PDAとはpersonal digital assistantの略で、携帯用の情報電子機器のことです。(イメージとしては、ノートPCと電子手帳の中間のようなものでしょうか?)

このEnglish Challengerの特徴は、TOEIC学習用ソフトが標準で添付されており、PDAとしてだけではなく、「本格的なTOEICテストの練習が行なえる」と謳われていることです。その実力はどれ程のものなのでしょうか?

以下に、私がEnglish Challengerを使用して「ここはすごい!」と感じた点と、「ここはちょっと……」と感じた点をご報告させて頂きます。


English Challengerのここはすごい!

・ 場所を問わず使用できること

English Challengerの優れた点は、まず何と言っても場所を問わずにTOEIC対策勉強が出来てしまう、ということです。PDAのサイズは、横7.5センチ×縦12センチと小さく、重量も170グラムしかありませんので、電車の中でも行列待ちの銀行でも、どこでも英語学習の場にしてしまうことができます。

「TOEICで高得点を取りたいが、机に向かって勉強する時間がなかなか取れない」とか、「英語は出来るようになりたいけれど、敷居が高くてどうも始める気になれない」、という方には、手軽にTOEIC対策/英語学習のきっかけを提供してくれるツールとしてお薦めできます。

・ ジーニアスの英和/和英辞典も内蔵されていること

もう1つ嬉しいのは、小さなボディにジーニアスの英和/和英辞典(大修館)が丸々収録されている、ということです。用例・解説の類も全て収録されていますし、「成句・複合語検索」も出来るので、電子辞書の代わりとして活用することが出来ます。ディスプレイのサイズは3.2インチと一般的な電子辞書より大きいので、一画面により多くの情報が表示でき、使い勝手も良いです。

・ PDAとしても活用できること

最後に忘れてはいけないのは、English Challengerはスケジュール管理・住所録・MP3再生・静止画/動画再生などの機能を持った、PDAとしても十分活用できる、ということです。別売りのカードタイプのPHSを接続すれば、メール送受信・ホームページ閲覧もできますし、PCとつなげばWord・Excel・PowerPointで作成したファイルをEnglish Challengerで閲覧することも可能ですので、ビジネス・趣味に幅広く活用することができます(ちなみに、今なら将棋と麻雀のゲームもセットで付いてきます:02年6月現在)。


ただし、English Challengerにはいい点だけではなく幾つか要望もありますので、ここで指摘させて頂きたいと思います。

English Challengerのここはちょっと……

・ 収録されている問題について

私が最も改善してほしいと感じたのは、English ChallengerをPDAとしてではなく、純粋なTOEIC教材として見た場合、問題の質などの点で少し改善の余地がある、といことです。

例えばTOEICのPart Iは、「問題用紙に印刷されている写真の内容を最もよく表わしているものを、4つの英文の中から1つ選ぶ」という写真描写問題です(詳しくは、こちら参照)。「写真描写問題」という名前の通り、本試験の問題用紙には写真が印刷されているのですが、English Challengerではなぜか写真ではなくイラストが表示されます。写真とイラストではやはり勝手が違いますから、English ChallengerだけでTOEIC対策をしようとしていると、本試験では少し戸惑ってしまうかもしれません。

また、「プラクティス」モードでは、一問解答する毎に正解と解説が表示されるのですが、解説は自分が選んだ選択肢に関してしか表示されません。2つの選択肢でどちらにしようか迷った末に結局1つに絞った、ということもありえるので、選択していない残りの選択肢についても解説があった方が親切では、と感じます。とはいえ、書籍の参考書でもそこまで丁寧に作りこんであるのは大変数が少ないですから、English Challengerにそこまで求めるのは酷かな、という気もしますが。

ちなみに、English Challengerに同梱されているカートリッジには、TOEIC形式の問題が全600問収録されています。普通2,000円くらいの書籍で400問前後が相場ですから、書籍1.5冊分くらいの分量が収録されている、と考えていいでしょう。ただ、English Challengerはネット接続も出来るので、将来ネット経由で最新の演習問題が配信される、なんて機能ができてくれば活用の幅が更に広がると思います。

・ その他の要望

その他の要望としては、細かいことになりますが、慣れるまでは付属のペンでの文字入力に時間がかかることがあげられます。また、ジーニアスの英和・和英がまるごと収録されているのは評価できますが、TOEICソフトと連動できないところが少し歯がゆく感じるかもしれません。TOEICのリーディングで判らない単語があったらすぐジーニアスを呼び出して調べられる、という機能があったら2つを組み合わせて有機的に利用することができ、もっと便利だと思います。


まとめ

以上、English Challengerの優れた点と改善して欲しい点を書いてきました。結論としては、非常にとっつきやすい形でTOEICの勉強をすることが出来るので、TOEIC学習・英語学習にとりかかる身近なきっかけが欲しい方に是非お勧めしたいと思います。特に、まだTOEICを受験したことがない方や、TOEIC500〜700前後を目標になさっている方にはお勧めです。逆に、既にTOEICで860点以上取られた上級者や、一日30分以上机に向かって英語を勉強する時間を持てる方は、書籍中心に勉強した方が効率が良いかもしれません。

気になるお値段ですが、e-casioというサイト経由で購入すると、39,800円かかります。TOEIC対策だけに費やすには少し高い額ですが、English ChallengerはPDAとして十分な機能も備えているので、あながち高いとも言い切れないでしょう。

最後に、TOEIC学習用のソフトやジーニアスはカートリッジで提供されていますので、将来的には私が指摘させていただいたような問題点が解決された新ヴァージョンのソフトが提供されるかもしれません。そういった意味では、今後の展開に期待が持てる製品といえるでしょう。

English Challengerに関する更に詳しい情報は、こちらへ

(取材協力)

カシオ・マーケティング株式会社

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